はままつシャツ「第5回 しゃべり場」浴衣産元の白井商事さんのお話

カテゴリー │浜松注染そめ浴衣・着物が着たい伝統工芸

「染め紡ぐ浜松」akikoです。

今日は風が強くて寒いですね~わーん
明日は最低気温がマイナス予想。風邪をひかないようにしなくては!です。

さて、みなさんは、『はままつシャツ』ってご存知でしょうか?パーあはは

2012年発足の、世界中に質の高い生地として知られる「遠州織物」をもっと生かしていこうと集まった地元の作家さん、有志の方々の集まり。
もちろん"はままつシャツ"というブランドでシャツも製作・販売されています。

昨日は、その"はままつシャツ"さん主催の遠州織物の知識を深める場として、さまざまなゲストを呼んで開催される「第5回 しゃべり場」に初めて参加してきました。
高町にあるIGUZIONE cafe(イグツィオーネカフェ)さんを会場に、入場無料・ワンドリンク制で開かれる「しゃべり場」

第5回のゲストは、浴衣の企画・製造・卸販売メーカーの白井商事 白井成治さん。

開始時間19:00近くなると続々と人が集まってきました!!

IGUZIONEさんは、浜松で初めて「プレス式コーヒー」を出されたお店とのこと。
プレス式は浅入りのコーヒー豆が合うということで、酸味も苦味もすくないフルーティーな香りを楽しめるコーヒーばかりだそうです。
酸味が苦手な私にぴったり~ハート とっても飲みやすくておいしかったです!


19時になり『しゃべり場』が始まりました!!キラキラ

まずは、白井さんの自己紹介から・・・・
30歳で家業に就かれるまでは、某Y社で(笑)メカニックをされていたそうで、鈴鹿8耐の雑誌に掲載された写真を見せてくださいました!
バイクと浴衣、二つの浜松の伝統産業に関わってきた・・・とにんまり

機械の整備って憧れます~!かっこいいです~。


自己紹介が終わると、さっそくメインの『浴衣のお話』が始まりました。


浴衣には、大きくわけると3つの種類があり、
「旅館やホテルできる寝間着の浴衣・リネンゆかた」
「踊りで着る浴衣・絵羽ゆかた」
「ファッションとして着る浴衣」
一口で"浴衣"といっても、それぞれ違う特徴があるそうです。
白井商事さんは、主に「ファッションとして着る浴衣」企画製造されています。

そして、その浴衣を染める「染め」にもいつくか種類があります。
「注染そめ」
「長板染め」
「機械擦染」(きかいなせん)
「スクリーン染め」

まずは、伝統の染めである注染そめ(ちゅうせんそめ)の型や、特徴、染められた生地などを見ながら説明していただきました。


注染の特徴は、職人さんの手によって染められる「美しいぼかし」
同じ型を使って、違う色を染めることが出来る。そして、同時に多色染めが可能ということがあります。
みなさん真剣花
同じ型で作った有名な焼肉食道園さんの手ぬぐい。色が違うと雰囲気変わりますよね~!


そして、現在主流になっているスクリーン染め
生地の幅が、着物や浴衣の反物の幅(小幅と呼ばれる約37~40cm)の、3倍・4倍の幅(広幅120~160cm)の生地に一気に機械で染めるもの。

スクリーン染めの図案です。
こちらは一色につき一型必要で、相当大きな機械で染められるそうです。
鮮やかな発色、細かい柄も可能。注染とは違い、生地表面に色を乗せるため裏は白っぽく見えます。

4つ幅(着物や浴衣の反物の幅4つ分)のスクリーン染めサンプル。
4つの違う柄が一度に染められています。

鮮やかですねー。子供用ゆかたの柄だそうです。


浴衣の歴史は、平安時代の貴族が蒸し風呂に入るときに来た「湯帷子」(ゆかたびら)が語源。

その後、汗を吸い風と通しの良いことから"湯上りに着る衣"となり、寝間着として使われるようになる。
江戸時代の中期に入り、今のようなちょっとした外出着としても着られるようになった・・・そう。

夏の普段着として定着したのは明治時代。
昭和30年代の高度成長期に入り、洋装化(パジャマ等)が進んだことなどから浴衣の取扱量が減少。
また平成に入って、広幅スクリーン染めが出始め量販店の取り扱いが増える。
(イ○ンや、ユニ○ロなど大きなお店ですごく安く販売されてますもんね・・・・・めそめそ)

それにより、職人の手で染める『注染そめの浴衣』はさらに減少。

「注染そめ浴衣」の取扱量は、昨年、浜松での総取扱量54万点のうち1割にも満たない3万点(約5.5%)となっている・・・・
この54万点というのは、日本ゆかた連合会が持っている数値なので、実際にはアパレル等が取り扱っている浴衣も合わせて、3倍くらいの数の浴衣が流通しているそうです。
・・・・というと、「浜松注染ゆかた」の取扱いの割合はもっともっと低いことですよね~~わーん
それだけ私たちが目にする機会も少ないってことです!!
(去年、二橋染工場さんに見学に伺った時には、全体の1%くらいとおっしゃってました。)


平成14年に、浜松のグラフがぐっと上がっているのは、それまで「注染そめ・機械擦染め」で作られた浴衣のみの集計だったところに「広幅スクリーン」の取扱量も集計するようになったから・・・。(注染そめの浴衣の取り扱量は減っています。)

注染そめの浴衣の反物も見せていただきました。ほんとうにブルーのグラデーション(ぼかし)が美しい!!

一緒に参加した方が「それ欲しい~」って言ってました(#^.^#)
私も去年の春、初めてちゃんと「浜松注染そめの浴衣」を見て、すごくきれいで感動して欲しくなったんですよね~ハート

"今年の新柄 厳選30柄"も見せていただきましたが、みなさん「どれにする~?」って感じで盛り上がってました(笑)
やっぱり見ると欲しくなるんですよね~~花

逆に言うと、「見ない(目にする機会がない)から欲しくならない」というのも、販売量が減っている理由の一つだと思います!

白井さんは、
「地元の人も浜松で浴衣を作られていることを知らない」
「注染そめを知らない」
「織物の一大産地ということを知らない」
という状況に一石を投じるため、"浜松の生地に浜松の注染そめで作った浴衣"を見て、触って、知ってもらおう!というイベントを企画されました。

3月19日・20日開催の「いとへんのまち」は、その思いに賛同したメンバーが集まって開催するイベントです!!力こぶ
(浴衣だけでなく、遠州綿紬の着物、コーディネート、着物作家さん実演、手ぬぐい、注染そめの実演などがあります。)
たくさんの方に見て・触って・知って・・・・そして、「着たくなって」欲しいですねハート

白井さんに「私も、しゃべり場に聞きに行きます!」って言ったら、「もう何回も聞いてる話だよ」って笑われましたが、何度聞いてもいいし、新たなことも知ったし、質問もできたし、とっても勉強になりました!!
参加してよかったです~ハート
「セミナー」みたいな感じでなく、美味しいコーヒーなどを飲みながら一つのテーブルを囲んで聞く『しゃべり場』は、距離感が近くてとても楽しかったです~!!キラキラキラキラ